ひろゆき「古文・漢文はやる価値なし」は実際どう?さまざまな視点で検証!

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主張: 古文・漢文から実用科目への転換

日本の高校教育では、古典(古文・漢文)の履修が長年必修とされてきました。しかし現代社会においてすべての生徒に古文漢文を教える実用性には疑問があり、限られた授業時間を金融リテラシー社会保障制度の活用宗教理解PC・ITスキルといった実生活に直結する科目に振り向けるべきだというのが彼の主張です。以下では、その根拠と具体的な効果、他国の前例を示しつつ、古文漢文教育の価値を認めた上での選択・統合案についても考えてみます。

ひろゆきさんのような著名人だけでなく高校生からもよく古文をここまでしっかりやるわけはなぜだろうという意見を耳にします。

実際の声 古文は現場に負担

まず高校における古文・漢文教育の現状を見ると、多くの生徒にとって古典は「受験のための科目」に留まっており、学習意欲や実用性の実感が乏しいのが実態です。ベネッセの調査によれば高校生で古典が好きな生徒は3割に満たず、大多数は古典に心理的距離を感じていると報告されています。高校での古典の授業はテストや入試で点数を取るための暗記中心になりがちで、自分の進路や将来に直結していないため「つまらない」「苦手」と感じる生徒が多いのです。実際、興味を持てず実生活で使う機会も少ない内容に多くの時間を割いている現状は、教育リソースの配分として効率的とは言えません。

さらに学習成果の面でも、卒業後に古典の知識を活用できている人はごく一部です。古典文学の素養自体は文化理解に役立つものの、要するに、多くの生徒にとって古文漢文は「試験が終われば忘れてしまう知識」「将来ほとんど直接使わない知識」となっており、必修科目として全員に課す必要性に疑問をもたれています。

もっとやるべきことはあるのでは

金融教育やITスキル習得といった実用科目を高校教育に導入することは、生徒の生活力を高め、将来の就職や社会自立を支援する効果が期待できます。例えば金融リテラシー教育では、「お金の使い方・貯め方」を学ぶことで計画的な家計管理や貯蓄の習慣が身につきます。2022年度から高校の家庭科および新設科目「公共」で金融経済教育が必修化され、家計管理やライフプランニング、資産形成の基礎、クレジットやローン契約の注意点、詐欺への対処など具体的内容が教えられるようになりました。

金融に弱い日本人

実際、日本では長らく金融リテラシーの低さが課題とされ、特に若年層の金融知識不足が顕著でした。ある調査では20代~30代の93%が自分の金融知識に自信がないと答え、日頃から経済ニュースをチェックしている人は1割強に過ぎません。学校で金融教育を受ける機会の少なさが一因と指摘されており、この必修化はその対策として必要な措置でした。金融知識を身につけることで、生涯で資産運用やローン選択などにおいて大きな差が出るとも言われます。したがって高校段階での金融教育は、若者が社会に出た後に多重債務に陥ったり、必要な保険に未加入で困ったりしないようにする予防策として極めて実用的です。

制度を使えない現状

同様に、社会保障制度の活用方法を教えることも重要な実用知識です。日本では生活保護や失業給付など公的扶助を本来受けられる人のうち、実際に利用できている人の割合(捕捉率)がわずか1~2割程度と推計されています。言い換えれば、本当は助けを得られるはずの人の多くが制度を利用できていないのです。その背景には制度を知らないことや、恥ずかしい・手続きが難しいという情報不足があるとされています。

社会保障制度について正しい知識を教えることで、将来もし自分や家族が困窮した際に「必要なときは遠慮なく制度に頼る」という意識を育めます。実際、2022年度の新科目「公共」では「少子高齢社会における社会保障の充実・安定化」が扱われ、安心して安定した生活を送るため社会保障制度の知識が不可欠だと明記されています。このような学びにより、生徒は将来、公的扶助の活用にためらいなく必要に応じて活用できます。結果的に貧困の連鎖を防ぎ、社会全体の安定にも寄与するでしょう。

世界を動かす重要な個性・宗教

また宗教理解の教育は、グローバル化した社会において異文化・異宗教への理解と寛容さを養います。日本は宗教教育に消極的でしたが、その弊害として世界の出来事や多様な価値観への理解不足が懸念されます。高校新科目「公共」の倫理分野でも世界の主要宗教の教義が概説されていますが、その扱いは限定的で深さに欠けるとの指摘があります。

例えばヒンドゥー教や正教会、イスラム教スンニ派とシーア派の違いなど世界情勢に直結する宗教知識が十分にカバーされていないため、国際政治や文化摩擦の背景を理解する力が育ちにくいという批判です。宗教理解を深める科目を設け、歴史的・文化的意義や現代社会との関わり、過激思想への対処などを教えることは、多様な人々と共存し協働する上で武器になるでしょう。無知に起因する偏見や差別を減らし、国際社会で通用する教養を身につける点で「宗教理解」の科目は価値があります。

PC・ITスキル教育は不可欠

現代の情報社会で生きる全ての人に必須です。日本の若者はスマートフォン利用には慣れていても、PCを用いた作業や情報リテラシーでは課題があると指摘されています。国際機関の調査では日本の学校におけるICT機器の活用度は他国に比べ最下位レベルとの結果が出ており、教育現場でのICT環境・指導が遅れていました。この改善のため、日本でも2022年度から「情報I」が共通必履修科目となり、プログラミングを含むICTスキル教育が強化されています。例えばイギリスでは2014年から5歳からコンピュータを教えるなど思い切ったカリキュラム改革を行っており、日本でも高校卒業までに基本的なPC操作、オフィスソフトの利用、プログラミング的思考、情報セキュリティの知識等を確実に身につけさせることは、その後の大学・就職で大きなプラスになります。IT人材不足が叫ばれる中、全ての若者に最低限のデジタルリテラシーを保証することは競争力強化にもつながります。

国内外における教育カリキュラム改革の前例

実用的な科目を重視する教育改革は、既に国内外でいくつかの前例があります。国内では前述の通り2022年度の学習指導要領改訂で「公共」「家庭科」「情報」といった科目の中に金融リテラシーや社会保障、プログラミング教育などを盛り込む方向へ舵が切られました。例えば家庭科では「お金の使い方・貯め方・増やし方」まで含めた体系的な金融教育が必修化され、公民科の「公共」では社会保障や現代社会の課題について探究するカリキュラムとなっています。この変化の背景には、成人年齢引き下げ(20歳→18歳)による高校生の社会的自立支援の必要性や、人生100年時代に向けたキャリア設計力の育成といった社会の要請があります。つまり日本でも近年、教育内容を実生活や時代のニーズに合わせる改革が進み始めているのです。

また宗教教育については、イギリスが代表的な例です。イングランドでは国家カリキュラムの科目ではないものの、全ての公立校に宗教教育を提供することが法律で義務付けられており、複数の宗教について学ぶ機会が保障されています。この科目ではキリスト教だけでなくイスラム教・ユダヤ教・ヒンドゥー教・仏教など主要宗教の教義や文化的役割を学び、多文化・多宗教社会への理解を深めることが重視されています。多様で複雑な多宗教・無宗教社会に向き合う準備に宗教教育は不可欠」との認識されています。

「日本人とは何か」を学ぶ

以上のように古文漢文を実用科目に置き換えることには多くの利点がありますが、古典教育の学問的・文化的価値そのものを否定する必要はありません。古文や漢文には、日本人の言語文化の源流を学び、歴史的思考力や豊かな教養を育む意義があります。例えば平安文学を読むことで当時の社会や人間観に触れ現代との共通点を発見できることや、漢籍から伝統的価値観や漢字文化圏の思想に学べることも確かです。しかし、それらは必ずしも全員に一律で要求すべき「基礎教養」なのか、選択履修や他教科との統合で効率よく教えられないかを検討すべきです。

一つの策として、古文漢文を選択科目化することが挙げられます。興味や必要性を感じる生徒には、大学受験科目としての古典や純粋に文学を深める古典探究の授業を用意し、それ以外の生徒には必修から外して負担を軽減します。実際、2022年度からの新学習指導要領では従来全員必修だった古典が「言語文化」という科目内に再編され、さらに発展的な「古典探究」は選択科目となりました。これにより古典の履修範囲は以前より縮小され、受験等で必要な生徒のみが深く学べる体制に移行しつつあります。この方向性をさらに推し進めていくことに賛成です。

古文 イメージ画像

一方で「古典に親しむ機会が全く無くなる」との懸念に対しては、中学校までの国語科で基本的な古典の素養を押さえ、高校では希望者のみ高度な古典文法・読解を継続する、といった段階的学習で対応可能でしょう。

また歴史科や総合的な探究科目と古典を統合するアイデアもあります。古典作品を歴史的文脈の中で読むことで、単なる古語訳暗記ではなく、日本の歴史・文化を立体的に理解する授業へと変えるのです。例えば『平家物語』を日本史の中で扱えば、文学の言い回しの学習だけでなく源平争乱の実態や当時の思想にも触れられます。

まとめ: 実用教育への移行で生徒の未来を拓く

古文・漢文必修を見直し実用科目へ置き換えることは、高校教育を時代に適合させる改革です。本稿では賛成の立場から、現在の古典教育が多くの生徒にとって実用性に乏しく負担となっている実態、対照的に金融・社会保障・宗教・ITといった実用科目が生活力向上やキャリア準備に直結するメリットさらに古典の価値を損なわず選択制や統合科目で代替可能なこと、教育改革の潮流を考えてみました。もちろん古典教育そのものを粗末に扱うべきではありませんが、限られた教育時間の中で何を全員に教えるべきかは社会の要請に応じて変えていく必要があります。現代日本における喫緊の課題は、若者の金融的・社会的リテラシーやデジタルスキルの底上げであり、高校教育がそこに応えれば卒業後の社会適応力が飛躍的に高まるでしょう。

古文漢文を必修とする伝統にとらわれず、実用科目を充実させたカリキュラムへの再構築によって、生徒たちの未来をより確かなものにする高校教育へ転換していくことを強く提言します。

参考文献: 

古典教育の現状に関する調査 view-next.benesse.jpview-next.benesse.jp;

金融教育必修化の背景と内容 miradas.jpmiradas.jp;

若年層の金融リテラシー課題 one-quest.jpone-quest.jp;

社会保障教育の必要性 mhlw.go.jp;

古典必修見直しの提言事例 xiao-2.hatenablog.comxiao-2.hatenablog.com;

英国における宗教教育・ICT教育の事例 lordslibrary.parliament.ukgov.uk.

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