AI使えば東大に受かる? AIは勉強でどこまで通用する?

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AIは東京大学の入試問題を解けるのか

近年、ChatGPTをはじめとする生成AIが注目を集める中、「AIは東京大学の入試問題を解けるのか」という関心が高まっています。実際、2025年度 東大二次試験(英語・数学・国語・理科・社会)をAIに解かせた実験では、興味深い結果が報告されています。

英語ではChatGPTが90点を超える高得点を記録し、東大合格者平均(約70~75点)を大きく上回りました。数学でもほぼ満点に近い解答を示し、上位1%に相当する水準に達しています。これらの結果から、英語および数学に関しては、AIが東大合格レベル以上の実力を有していると考えられます。

一方、国語(現代文・古文・漢文)では英語ほどの高得点には至らないものの、ChatGPT-o1が71点、DeepSeekが75点といった結果を残し、合格者平均レベルには到達しました。理科の物理・化学でもそれぞれ45点と高得点を記録しています。ただし、社会科(世界史・日本史・地理)は得点が低めで、世界史でChatGPTが34点、日本史で19点など、合格ラインには届かない結果が見られました。


AIの得意分野と苦手分野

AIが得意とするのは、英語の文法や翻訳・要約など、正答が明確に定義できる問題です。英作文や数学の計算問題など、論理的処理が可能な設問では高い精度を発揮します。また、漢文などの「文の意味を整理すれば解ける」問題にも比較的強い傾向があります。

一方で、現代文の深い読解や、筆者の意図を問う設問は不得意とされます。さらに、地理や世界史などの資料問題、特に図表や地形図を読み取る問題では失点が多く見られます。日本の地域事情や最新統計に関する知識を必要とする設問も苦手とする傾向があります。総じて、AIは英語・数学・知識型問題に強く、複雑な思考や文脈理解を要する問題に弱いといえます。

中田敦彦氏によるAIの進化の解説


自信満々の間違い

生成AIは膨大な文章データをもとに「最もありそうな答え」を予測して生成する仕組みです。そのため、情報が不十分な場合でも、自信を持って誤った内容を提示してしまうことがあります。これを「ハルシネーション(幻覚)」と呼びます。

実際に、ChatGPTが存在しない歴史的事件や架空の判例を作り出すことも多々あります。こうした「もっともらしい誤答」は、見た目が正確に見えるだけに誤情報を信じやすく、学習の妨げとなる危険性があります。したがって、AIの回答を利用する際は、常に信頼できる資料で確認・検証する姿勢が欠かせません。


中高生におけるAI利用の現状

日本でも生成AIの利用は急速に拡大しています。最新の調査では、スマートフォンを所有する高校生の約6割がAIサービスを利用した経験があると回答しています。別の調査では、高校生の92.5%が生成AIを使用した経験があるとされ、すでに一般的な学習ツールとして浸透しています。

中学生においても利用が広がりつつあり、NTTドコモの調査では約13.3%の中学生が生成AIを使用していると報告されています。利用目的としては、宿題の解答確認や課題の理解補助などが中心で、84%の高校生が「AIを使うようになってから学び方に変化があった」と回答しています。生成AIは、すでに中高生にとって身近な学習支援ツールとなりつつあるといえます。


AIを学習に活かすための心得

AIの回答は便利で即時性がありますが、誤情報を含む可能性があるため、そのまま信じ込まないことが重要です。調査によると、AIの回答をそのまま使用する生徒は13.7%にとどまり、多くの生徒は自ら確認や修正を行ってから利用していることが分かっています。

教育現場では、AIを「学びを補助するツール」として活用する動きが広がっています。教員の中には「AIの出力はそのままでは不十分だが、利用者が修正すれば十分に役立つ」と評価する声もあります。つまり、AIはあくまで“便利な補助教員”として捉え、自らの思考力・判断力を高めるための支援役として活用することが大切です。


まとめ

AIは英語・数学・理科の一部分野において東大合格レベルの実力を発揮できることが確認されています。一方で、現代文の深い読解や社会科の資料問題など、人間的な思考力や読解力を要する設問では依然として限界があります。また、AIは確かな知識を「保持」しているわけではなく、あくまで言語パターンをもとに最も妥当と思われる答えを出しているにすぎません。

したがって、AIを学習に取り入れる際は、「答えを教えてもらう」のではなく「自分の理解を深める手段」として使うことが重要です。AIが示した解答を鵜呑みにせず、根拠を確認し、自分の言葉で再構築する姿勢こそが、これからの学習において求められる力といえるでしょう。


参考資料

toyokeizai.net/note.com/spc.jst.go.jp/zenn.dev/mmdlabo.jp/shingakunet.com/moba-ken.jp


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