私立高校授業料の無償化は、低所得層の負担軽減という意義もある一方で、行き過ぎではないかという声も上がっています。一方、都市部偏重や公立高校の弱体化、富裕層への税投入といった懸念も指摘されています。
地域間格差の逆行
文科省幹部も「約4000億円の私学支援の大半は都市部に入り、都市と地方の格差是正には逆行する」と警告しています。現状、都心部では私立高校進学率が高く、無償化の恩恵は都会の家庭に偏りがちです。過疎地ではそもそも私立校が少なく、経済的に困窮する家庭は恩恵を受けにくいです。
公立高校への影響
私立無償化で私学志望者が増えると、公立高校の受験者が減り、公立校経営を圧迫する恐れがあります。実際、大阪府では私立無償化により府立高校約半数(70校)が定員割れとなり、募集停止が相次いでいます。公立校の統廃合リスクが高まり、無償化の前に公立校充実策が必要だとの意見もあります。
施設がボロボロだったり教員不足などが目立つ中でばら撒き政策を行う政党の問題を感じます。現場感覚に非常に乏しいのではと懸念が生じます。
富裕層への税投入
所得制限が撤廃されると高所得世帯にも支援金が届くようになります。自民党内では「超富裕層まで支援するのは妥当か」という疑問も出ており、有名私学に通う裕福な家庭にも税金が投入されると公平感を損ねます。経済学者も「高所得層は自費で通わせる余裕があるので、無償化のメリットは薄い」と指摘しています。また、ある衆院議員は「名門私学に通う裕福な家庭にも支援金が出る」と不公平感を訴えています。

皮肉な教育熱の高まり
皮肉なことに、学費が無償になった分、富裕層の家庭が浮いたお金を塾や習い事に回して教育熱を高めてしまう危険性があります。近年の研究でも「隣が塾へ通わせれば我が家も」という心理で家計の教育支出が増大することが示されています。結果として、授業料以外の費用で教育費総額が上がり、親が負担感をあまり減らせない可能性があります。
支援拡大の意味も
父親の死亡や病気で苦しい家庭が多いことも事実で、支援拡大に期待する声もあります。実際、母子家庭の母親は「家計の苦しい世帯も多いので、無償化拡大は助けになる」と語っています。とはいえ、財源には限りがあり、すべてを無条件に支援するわけではありません。公立高校も入りやすい 低倍率の学校も多くそこまで入学には困りません。低所得層への重点支援など、効果的かつ公平な制度設計が求められます。
参考資料: 都市部への偏重で格差是正に逆行する懸念kyobun.co.jp、公立校定員割れの大阪府事例kyobun.co.jp、富裕層への支援妥当性を問う与党内議論nordot.app・専門家の指摘dailyshincho.jpdailyshincho.jp、教育熱の拡大を懸念する研究dailyshincho.jp、支援拡大を期待する母子家庭の声kyobun.co.jpなど。

